本作はオルダス・ハクスリーが1932年に発表した小説、「すばらしい新世界」を基に作られている。この作品は、一夫一婦制やプライバシー、お金、家族、そして人類の歴史を排することで、平穏と安定を手に入れたユートピア的社会を描いている。ニュー・ロンドンの市民であるバーナード・マルクスとレーニナ・クラウンは厳正な社会秩序の中でしか暮らしたことがない。彼らは完璧な薬であるソーマを日々摂取しつつ、満足感を手軽に得ながら、いつでもセックスができる環境に身を置いている。そんな2人は自分たちとは異なる社会に興味を抱き、サヴェッジ・ランドへ旅行に行くことに。しかし、そこで彼らは恐ろしい暴動に巻き込まれてしまう。それでもサヴェッジであるジョンに救われた2人は、彼を連れてニュー・ロンドンへと戻る。だがジョンの存在は、すぐに新世界のユートピア的な調和を乱してしまい、バーナードとレーニナが、その対処に追われることになる。やがて3人を巡る危うい関係性が、彼らの条件づけに潜む危険性を浮き彫りにしていく。