昔々、東洋と西洋の中間あたりに大変栄えた国がありました。大きな都の中央には美しい宮殿があってその周辺はいつもにぎわっていましたが、一歩宮殿の外に出ると、貧しい人々が日々の生活にも困っていました。アラジンもその中の一人でした。ある日、都に一人の妖術師がやってきました。アラジンは「家来になれば大金をやる」といわれ、大きな岩の前へつれていかれました。妖術師が呪文を唱えると、たちまち岩は真二つに裂け入口が現われます。「さあアラジン、わたしの大切な指輪をあげるから、この岩の中へ入って古ぼけたランプを持ってくるのだ」。ようやくアラジンが目的の古びたランプを持って出ロヘ向かおうとした時、突然岩がピタリとしまってしまいました。祈るように両手を合わせたその瞬間。白い煙が立ち昇り、その中から魔物があらわれたのです。「御主人様、何か御用ですか」この魔物は指輪の持ち主の召使いだったのです。(C)東映