物語は、二部構成で展開。第一部「櫻花の巻」では、元禄十四年春、江戸城中、松の廊下において赤穂藩藩主・浅野内匠頭が、諸式指南役である高家筆頭・吉良上野介に対して刃傷に及び切腹。家は断絶となり、幕府の片手落ちな裁決に憤りを感じながらも、城代家老・大石内蔵助をはじめ赤穂藩士が城を去るまで描破。第二部「菊花の巻」では、秘かに仇討ちを誓う大石内蔵助の世間の目を欺くための放蕩三昧から、元禄十五年冬、赤穂四十七士が白雪を蹴って討入りするまでを描く。一年八ヶ月にも亘って仇討ちの機会を待ち続けた赤穂四十七士の心理描写が、延べ三時間の長編によって巧みに描き出される。(C)東映