関西四天王寺を庭場にもつ大阪三輪会の若衆・田丸金一は、テキヤ修行を続け東京へとやって来たが、金一はテキヤ三戒のネタ喰うなの禁制を破り、途方に暮れていた。金を作ろうと当たり屋を試みるが、運悪く怪我で入院する羽目に。この金一を助けたのが浅草菊水一家の若衆・国分勝だった。これが縁で、金一の故郷大阪へ旅立つ国分。金一の使い込んだネタ代金を届けるため、三輪会の帳元・朝比奈お六を訪ねる。お六は、金一を必死に庇おうとする国分の心意気にすっかり惚れ込み、一人娘の夏子の婿にと望むのだった。この事から国分は、しばらくの間、三輪会に草鞋を脱ぐことになる。三輪会は、年一度の行事である日本三大祭りの一つとして有名な飛騨の高山祭を仕切り、大阪の露天商の人気を集めていたが、最近では暴力団上がりの黒金工業の社長・黒金が、同じ関西に庭場を持つ千成組の帳元・東条と共謀し、三輪会の庭場を横取りしようと企んでいた。数日後、黒金とお六を料亭に呼び出した東条は、ヘルスセンター建設の話を持ち掛ける。お六は、露天商たちの生活を保障する条件を前提に、この話に乗るのであった。だが、この話は東条と黒金の仕掛けた罠。そんなある日、お六の実子で今は、テキヤ馬賊に成り下がった鉄也がひょっこりと帰ってくる。この鉄也に目をつけた黒金と東条は、鉄也を金で買収し、三輪会の庭場を荒らさせて、お六への厭がらせを表面化させようとする。庭場荒らしが鉄也の仕業だと知ったお六は、鉄也に会って、この大阪から出て行くよう言い渡す。その夜、鉄也は黒金らに呼ばれ約束の金を受け取る。その際、鉄也は黒金の机からヘルスセンターの青写真を盗み出し、その足でお六のいる三輪会を訪ねて、この青写真を売りつけるのだった。そして、お六は東条らの悪企みを知る。一方、青写真を盗まれたことに気がついた東条らは、鉄也を捕えリンチにかける。このことを知った国分は、一人黒金ビルへと向かい、傷ついた鉄也を助け出すものの、無惨な制裁を受けた鉄也は息を引き取るのであった。鉄也の死に憤りを覚えたお六は、西日本各地のテキヤの帳元衆が集まる総会会場で、東条と黒金らの悪事を暴露し、千成組と黒金工業を西日本テキヤ同盟から脱退させるに及ぶ。だが、これに腹を立てた二人は、翌日三輪会の庭場にブルドーザーを送り込み、露天商たちを追っ払い、さらにはお六に銃弾を浴びせかけるのだった。三輪会事務所に運ばれた瀕死のお六の姿を横目に、一人立ち上がる国分は、千成組へと殴り込んでゆく…。(C)東映