羽田空港に現れた贋ドル事件に、新聞「経済週報」の社長・芦沢は激しい執着を抱いていた。彼は容疑者として逮捕された落合のアパートを訪ねるが、落合は殺されていて、芦沢自身が殺人の容疑で勾留された。だが面識のある刑事・宮内の取調べにも反抗の姿勢を見せ、顔には警察に対する特殊な感情が表れていた。釈放後、芦沢は羽田のロビーで見たソリスター甲田利恵のことが気にかかり、彼女に近づいていく。闇ドルルートを探るために利恵に近づいた芦沢だったが、重要な役割を担っていることまではわかったのだが、いつしかふたりの間には思わぬ恋心が芽生えていた。贋ドル解明への執着と利恵への思いの間に揺れる芦沢は、隙を見て彼女の持ち物から10ドル紙幣を持ち出し、宮内刑事に鑑定を依頼する。紙幣はやはり贋ドルだった。もはや利恵への思いを断ち切れぬまでのめりこんだ芦沢は、彼女の傀儡となる覚悟を決めた。そんな彼に、利恵は日東商事との取引額一億二千万円を奪って、海外に逃げようと誘ってきた…。(C)東映