憑神
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時は幕末。別所彦四郎は、下級武士とはいえ、代々将軍の影武者を務めてきた由緒ある家柄の出。幼い頃より文武に優れ、秀才の誉れ高かった彦四郎だが、戦もない平和な世においては影武者の出番などあるはずもなく、毎日暇をもてあますばかり。出世はもはや神頼みしかないと縋る思いで祈った御稲荷様は、なんと災いの神を呼び寄せる稲荷だった-。どこか憎めなくもその「ご利益」は絶大な、貧乏神・疫病神・死神の三人の神に取り憑かれる彦四郎。人生の憑きに見放され、不幸の神様に取り憑かれ愛されてしまった男の運命は?(C)東映