旗本くずれの萩原新三郎は、同じ旗本・飯島平左衛門の一人娘・お露という恋人がいた。だが、自らの父が公儀重臣の寵妾と不義を働いた疑いで切腹となり、お家は断絶。これにより、飯島家では、お露を他家に嫁がせようとしていた。この境遇に絶望した新三郎は、賭場通いを始め、お国という莫連者を知る。またお国も新三郎に一目惚れするのだった。ある夜、新三郎はお露に諭され、やくざから足を洗う事を誓うが、その逢瀬を平左衛門に見つけられてしまう。その場を遁れ落ち、お露が新三郎の家を訪ねると、そこにはお国が待ち構えていた。新三郎と恋仲だというお国の言葉を信じたお露は、失意の余り、乳母・お米と共に大川へ身投げしてしまう。(C)東映