米NBCテレビ「サタデー・ナイト・ライブ」の人気コーナーを映画化した「ウェインズ・ワールド」は、自由奔放でヘビメタ好きの2人組ウェイン(マイク・マイヤーズ)とガース(ダナ・カーヴィ)が活躍する、ポップカルチャーを題材にした恐れ知らずのコメディー映画だ。2人は、ウェインの自宅の地下室から、「ウェインズ・ワールド」というトークショーを地元のケーブルテレビ網で放送している。うさんくさいテレビ局の重役(ロブ・ロウ)がこの番組に目をつけ、大手テレビ局での放送を持ちかけてきた。ところがこの重役は、ロックシンガーでウェインのガールフレンドでもあるカサンドラ(ティア・カレル)も狙っていた。ウェインとガースは、番組とカサンドラを守るため、重役と闘うことになる。ペネロープ・スフィーリス監督とマイヤーズとカーヴィの3人が考案した、バカバカしいけどついつい笑ってしまうジョークが、安っぽいストーリーの随所にちりばめられている。キャストの熱気とポップカルチャーへの過激な風刺が交錯する「ウェインズ・ワールド」は、「サタデー・ナイト・ライブ」から生まれたスピンオフ・ムービーの中でも抜きん出た傑作だ。