高校時代に一目惚れをして結婚した、ラファエルとオリヴィア。結婚10年目を迎え、ラファエルは、今やベストセラーSF作家になったものの、小さなピアノ教室を開きながらピアニストの頂点を目指すオリヴィアは、すれ違いの生活に孤独を感じていた。ある日、我慢の限界に達したオリヴィアがラファエルに想いをぶつけると大喧嘩に…。翌日、人気作家の特別授業として中学校を訪れたラファエルは、人々の様子がおかしい事に戸惑いを覚える。そこでの自分はしがない中学校の教師で、オリヴィアは人気ピアニストとして活躍する、立場が逆転した<もう一つの世界>だった。もう一度オリヴィアと愛し合えば元の世界に戻れると信じ、あれこれ接触を試みるものの、オリヴィアは長年連れ添ったパートナーと婚約する事に。そこでラファエルは、人生最大の決断を下す。それは、“恋”しか知らなかったラファエルがオリヴィアの幸せを一番に願う“愛”の決断だった…。