福永武彦の同名小説を大林宣彦が映画化。16ミリフィルムで全編撮影されているが、画面や音に繊細な配慮がされており、低予算映画とは思えないほどの仕上がりを見せ、商業映画とは一味違う魅力を放っている作品。江口は古びた運河の町が火事で焼失したことをニュースで知り、十数年前にその町にひと夏滞在したことを思い出した。大学の卒業論文を書くために親戚の紹介で地元の旧家に泊まり込んでいたのだが、そこには娘・安子がいて、何かと身の回りの世話を焼いてくれた。やがて姉の郁代のことを聞くことになり…。 (C)1984 PSC/新日本制作/ATG