ドレッシング・アップ
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桜井育美は父親とふたり暮らしの中学一年生。授業で「将来の夢」について考えるという課題が出ても、自分の未来を想像することができない。「母親のような立派な人になりたい」というクラスメイトの発言を聞いた育美は、幼いころに死んだ母親がどういう人だったのか興味を持ちはじめる。やがて育美は、父親がずっと隠していた母親の過去を知ってしまう。禁断の箱を開けてしまった少女。痛みに満ちたこの世界で生き抜くために、愛を求めてさまよう彼女の見たものとは-。