認知症になった母の世話を手伝うため、ダーヴィットはフランクフルト近郊の実家へ帰ってきた。父は長年の介護でさすがに疲れてしまったらしい。ダーヴィットは母の世話をしながら、親友であるカメラマンと共に、母と過ごす最期の時間を映像に記録する。理性的だった母は、病によって、すべての抑制から解放され心の赴くまま自由に過ごしているように見える。自分が若返った気になった母は、息子のダーヴィットを夫だと思い込み、父が思わず嫉妬することも。かつてはドライで個人主義的に見えた父と母の夫婦関係も、いつしか愛情をありのままに表す関係へと変わっていく。(c) Lichtblick Media GmbH