カルト教団「真理の箱舟」の信者が東京都の水道水に新種のウィルスを混入させ、128名の死者を出すという無差別殺人事件が起きた。その後5人の実行犯たちは教団の手で殺害され、教祖も自殺した。 --それから三年目の夏。「加害者遺族」の4人が、遺灰の眠る湖に集まった。同じ痛みをかかえている仲間にも打ち明けることができない、大きな秘密をもった、敦。医大に通っていた兄が事件を起こた、勝。バカにしていた高校時代の後輩によって妻を教団へと導かれた、実。夫が「真の教育を追及する」といって帰らぬ人になった、きよか。4人は、居合わせた元信者の男・坂田とともに、実行犯たちが最後の時間を過ごしたロッジで一夜を過ごすことになる。信者たちの生活の痕跡が残るこの空間で、彼らは今まで目を背けていた〔記憶〕と否応なく向きあう-(C)2001 『ディスタンス』製作委員会