夏の盛りに、銀色の日傘をさしてやってきた女房が、3度目の家出をして6日が過ぎた――― 直木賞受賞の村松友視の原作を、才匠・森崎東監督がメガホンを取った意欲作。人間っぽく、人なつこい、コクのある人情喜劇の傑作。 東京・大井町。三叉路に架かる陸橋の下に「時代屋」という骨董屋がある。そこの主・安さんの前に、夏の盛り、銀色の日傘をさして野良猫を抱えた謎の女・真弓が現れ居付いた。ところがその真弓、なぜか家出癖があった。ひと言の伝言と、ビクターの犬の置物を置いて失踪する。三度目の家出をしてから、数日経過。なぜか野良猫も家出した・・・。