母親であることを手放した女と、母親になると決心した女…。“生みの親”と“育ての親”がそれぞれ体験する、子どもと離れる辛さと、お母さんと呼ばれる歓び。彼女たちはそれらを分かち合うことはできるのか。鹿児島県の最北端、青い海に囲まれた長島町。佐藤茜(貫地谷しほり)はこの島に一人でやって来て働いている。一方、島で生まれ育った日野五月(山田真歩)は、夫の優一(永井大)、義母のミエ(木内みどり)、7歳になる里子の豊和(松原豊和)と平穏に暮らしている。五月はかつて不妊治療を行なっていたが、断念し、児童相談所から当時赤ん坊だった豊和を預かり、特別養子縁組の申し立てを行うが、準備を行う中で、思いもよらぬ事実を知らされる。なんと豊和は、7年前に東京のネットカフェで起きた乳児置き去り事件の被害者だったのだ。そして豊和の母親の名は、佐藤茜だった。©2019長島大陸映画実行委員会