雨宮修平は、ピアニストを目指す小学5年生。とある田舎町へ転校してきた修平は、さっそくガキ大将の“キンピラ”に難題をつきつけられる。学校近くの森の中にある音の出ない“壊れたピアノ”を弾いてこいと言うのだ。その修平のピンチを救ったのは、クラスメイトの一のノ瀬海。海は「あのピアノは音が出るんだ」と言い張り、キンピラと衝突、大ゲンカをしてしまう。 放課後、海は修平をその「ピアノの森」に誘う。森の奥には、美しい木漏れ日に照らされるグランドピアノがあった。そのピアノは、ピアノを習っている修平が弾こうとしても音が出ず、不思議な事に海には弾くことができるのだ。海が言う「このピアノはオレのピアノだ!」。裸足で自由奔放に森のピアノを弾く海。その音色は不思議と人をひきつけ、修平は激しく心を揺り動かされる。だが海は、「ピアノを習った事なんかないし、楽譜すら読めない」と言…