瀬戸内海に面したK市のY造船所。島崎宗夫(早川保)はK造船所の下請工場、大和田組の社外工であった。或る日、厚生係長村田(殿山泰司)から寮の管理をすれば特別給与も出すと言われた。月給の大半を酒と賭博で使い果す彼にしてみれば渡りに舟だった。十八人の入寮者、彼等は大阪で食いつめタコ師の森山(芦屋雁之助)の手を通して流れ込んで来た札つきの連中であった。花札をひく連中、日出男(松井英二)、やすお(木戸昇)、みのる(近藤たかし)、良夫(西村勝吉)、あきら(安川洋一)や、町の与太者と喧嘩する連中。こうした十八人との共同生活に手を焼く島崎に温かい目を向けるのは飲み屋の娘ノブ(香山美子)と村田の妹で高校の教師をしている久子(根岸明美)だった。やがて、造船所にも夏期手当闘争シーズンが来た。組合員でない彼等社外工の稼ぎ時を労動者の正義窓でボイコットを考えた島崎だが、タン…