信州伊那の園芸会社「木村ガーデン」ではたらく芳子(安奈淳)には悲惨な過去があった。庄田咲次(室田日出男)というやくざのヒモにホステスとして働かされ、客をとらされ、骨までしゃぶられていたのだ。ある日、体をこわして休んでいると、殴る蹴るの暴力をふるわれ、ついに必死の思いで逃げ出し、彼の目の届かない信州へ身をかくしたのである。逃げるとき彼女は庄田の金を五万円だけ盗んできた。「木村ガーデン」の近くに一流電器メーカーの社員寮があったが、そこに研修旅行にやってきた独身社員の潮田早雄(新克利)が芳子に一目惚れし、研修が終わった日、芳子にプロポーズした。知り合ってからたった十日目という短さだったが、彼女も明るくやさしい潮田をひそかに慕いはじめていたので、この性急なプロポーズを拒否する理由は何もなかった。やがて東京のアパートで夢のような新婚生活がはじまった。しかしその幸せも長くは続かなかった。(C)東映