幕末時代の江戸・東海道の宿場町『品川宿』で問屋を営む「夢屋」の主人・雲(くも)は妻・かめ、11歳の長男・新之助(しんのすけ)と暮らしている。雲は仕事そっちのけでいつも遊んでばかりで、無類の酒好き女好き。動乱の世ではあるが、ささやかな庶民の家族や人間模様をコミカルかつシリアスに描いた作品。幕末が舞台であるにもかかわらず、アコースティックギターでの弾き語りシーンや、かめがピンク・レディーの「ウォンテッド (指名手配)」を口ずさみながら掃除をするシーンやグラタンを食べたり・・・雲が鼻歌で石原裕次郎の「夜霧よ今夜も有難う」を歌うなど、ユニークな演出が随所に見られ、毎回オープニング前に「このドラマはフィクションであり、時代考証その他かなり大巾にでたらめです。」とのテロップを施している。最終回には浮浪雲の義兄役として石原裕次郎が出演した。1979年に第16回ギャラクシー賞・選奨を受賞。©石原音楽出版社