昭和銀行に勤続十五年。原口元子(山本陽子)は、べテランとは名ばかりで実は重宝に使われるだけの生活に見切りをつけていた。ばく大な隠し預金の存在を知ったことをきっかけに、元子は、半年間慎重に計画を練り、ついに七千五百万円の横領に成功する。村井次長(井上孝雄)初め、銀行の上層部は元子の示す架空預金者帳簿の写しに、事件を表ざたにすることができない。勝ち誇った元子は退社。数日後、責任者の村井は馘(かく)首された。そのころ、自身が 子架空預金者の一人でもある財界の黒幕、長谷川(小沢栄太郎)は部下の安島(田村正和)に命じて元子の動向を探らせはじめた。元子は横領金を元手に銀座でクラブを開店。 ママぶりも板についてきた折、売れっ子ホステスの波子(万田久子)が病院長をスポンサーにして独立すると言い出す。(C)松竹