イリヤはビデオアーティストを目指していたが、出来上がった作品はプロモーターに酷評されていた。「今はショッキングなものじゃなきゃ、受けないんだよ」。イリヤはプロモーターに勧められるままショッキングな題材=自殺を扱うことにする。自殺志願者が死ぬところをビデオで撮影し、色や画像を加工し音楽をつけることでビデオクリップに仕上げた。プロモーターの言った通り、これはうけた。不謹慎だと眉をしかめる良識派の意見は意外にわずかで、センセーショナルな題材に人々は飛びついた。イリヤはあっという間に売れっ子のアーティストとなった……。 (C)マレヒト・プロ