深川駒井一家若松組若衆の栄井政治は、喧嘩早いのが玉に瑕。いまも謹慎中の身にありながら、駒井一家大滝組親分の大滝剛平が乗った人力車が子供をはねたことから大滝に喰って掛かる。怪我をしたのは、大滝組半可打ち田島秀次の息子健坊。さらに田島は、博奕のために二百円を大滝から借金してしまい、その形に女房おいねが引っ張られてしまうが、見かねた政治が金を工面する。しかし、おいねが手籠めにされそうになり、大滝に飛び掛かった田島が斬り殺されそうになったことから、政治は大滝にドスを向けてしまう。この一件で、政治は二年間の東京所払いが決まり、親分若松清三の計らいで渡世修行の旅に出る。